カ レ ー の 味 



カレーの






何で今日に限って母ちゃんと姉ちゃんが留守なんだぁ…?!

これは何かの陰謀か?そうじゃなきゃ何だっつーんだぁ…?!

だって今日は隣の家に住むの家族が旅行中で俺の家に預かる事になってたんだぜ?

何でその今日に二人で出かけちまってんだよォ!!

母ちゃんと姉ちゃんが帰るまで二人っきりじゃねぇかよォ!!

何かヤバイんじゃねぇ?だって俺…の事好きなのにさァ………。

如何すれば良いんだよっっ!!











「こんにちはぁ〜!!」


元気の無い俺をよそに超元気ながやって来た。
俺達が二人っきりとも知らずに……。



「よ、よォ………」
「ぁ〜!!キバ君っ!!こんちゃ〜!!」


な…何だよ「こんちゃ〜」って……。
まぁ、其れは良いとして…凄ぇ元気だなぁ…の奴。
そんなに俺の家に来るのが楽しみだったとか?……んな訳ねぇか…。









「あれ?…ツメ小母さんはー……?それにハナ姉ちゃんも居ない……」
「ぁ…あぁ……それはだな………」


ど、どんなリアクションされるんだろうか…。
ちょっと怖ぇぜ……。
俺はちょっと震えつつ(?)もに二人が留守の事を話した。



「ぇえ!?二人とも留守なのっっ!?」
「あぁ……」


するとは何か考えた様子で俯いた。
その顔を凄く不安そうで……。
やっぱり俺と二人っきりじゃ不安だよなァ……。
あー…俺ってそんなに頼りない男……?
ってが心配してんのは俺が何かしないかっつー事で……。
何か自分で意味不明に言い訳してやがるし……。









「じゃあ困るねー…晩ご飯如何しようっか?」
「ぇ…飯ィ!?」


な、何だよ飯かよ……っ!!
驚かせやがって……。
俺はてっきり変な事で不安に思ってると思ったじゃねぇか…チクショーッ!!



「飯なァ…それまでには帰って来るんじゃねぇ?…多分…」
「多分じゃ駄目じゃないっ!!ご飯は大事なんだからねっっ!!」
「わぁったよ……この食い意地っぱり……」
「な、何よッ…この煩い男ッッ!!」
「う、煩い男って如何いう意味だよッ!!」
「そーいうトコロが煩いんだってばぁ〜!!」
「わ…悪かったなァ!!」



あー…俺何やってんだよ……。
これから一体如何すれば良いんだよォ……。













「とりあえず、冷蔵庫に何かある?」
「やっぱり飯作んのかァ…?」
「とーぜんっっ!!任せなさぁーいっ!!」
「てか…、飯作れんだ……」
「な、女の子だもんっ!!出来るよォ!!…多分…」
「多分って…俺期待してて良いのかよ……」
「大丈夫っ!!頑張るからっw」


が飯作ってくれるのは凄ぇ嬉しいけど……。
大丈夫なんだろうか……。
多分って凄ぇ心配何だけどよォ〜……。
俺は手伝わなくて良いっつーし…何だかなァ〜。














「じゃァ〜…カレー作るねw」


が冷蔵庫の材料を確認してカレーに決定したらしい。
まぁ…カレーぐらいなら大丈夫だろうと俺は思った。
簡単だし…何とかなるよな?






「ふんふんふんふ〜ん〜♪♪」


は御機嫌らしく鼻歌を歌いながら作っていた。
何かコレって…し、新婚夫婦みてぇだ……っ!!
そう思うのってやっぱ俺だけかぁ?
な…なんか凄ぇドキドキするぜぇ〜vV

















「う〜ん………」
「どーしたぁ?」
「ぁ、キバ君っ!!v」


は俺の顔を見ると嬉しそうに近づいてきた。
な…なんだぁ?!
何でアンナ顔するんだぁ?!
妙に期待しちまうぜ……v



「カレーにコレ入れていいかな?」
「はぁ?!こ、これ…ビーフジャーキー……」
「ぇっ…そうなんだぁ……ありがとw」


だ、大丈夫なのか?!
ビーフジャーキー入れようとしてたぜ!?あの女!!
美味しいと期待した俺が馬鹿だった〜みたいな展開になりそうな予感が……。
いや、それより命の危険が……。






















「でっきたぁ〜〜vV」

が嬉しそうに俺の元にやって来た。
手にはカレー(らしき物)を持って。





「キバ君っw食・べ・てvV」
「え、ああ……」


俺は恐る恐るカレー(らしき物)を口に含んだ。

ま、まさか3秒後に死んじゃったぁ〜みたいな展開は無いよな?

あ…でも好きな子のカレーで死ぬなら良いかなァ〜…なんて……良くねぇ!!

………!?



「う………」

「う?」

「美味ぇ!!すっげぇ美味いっっ!!」

「本当ッw」

「ああ……見た目によらずやるじゃんっっ」

「見た目によらずで悪かったわねぇ〜!!」





マジで美味ぇんだけど……。

って意外と料理上手なんだなぁ!!



















あれ?
はカレーに手ぇつけてねぇじゃねぇかっ!!
なんでだぁ?



…カレー食わねぇのかぁ?」
「ぇ…あぁ……」
「なんだぁ?カレー嫌いなのかよ?」
「違うのっ…私猫舌なのっっ」
「ね、猫舌ぁ?」
「そうよっ…悪い?」



猫舌ねぇ〜……。
なんか俺と無縁(?)な話見たいな……。
俺は熱いのが好きだしィ…全然平気なんだけど……。
熱々の方が美味ぇんじゃねぇ?
冷ましすぎたらなんかカレーって感じしねぇし。









「しゃぁねぇなぁ……」

「な、何が?」

「ちょっと貸してみろよ」

「何?何で私のカレーを…?」

――――――!?―――――――

「な、何してんのォ?!」

「だーかーらー…俺が冷ましてやるっつてんだよ!!」





俺はのカレーをスプーンに掬ってフーっと息を吹きかけた。




「こうすりゃ早く冷めるだろ?それに完全に冷めてる訳じゃねぇし。」

「じ、自分でできるよォ!!」

「俺がやってやるって!!」

















「このぐらいすりゃぁ、ちょっとぐらい平気だろ?」


俺は数回で息を吹きかけるのをやめた。

俺が平気だと思うぐらいに。

本当に平気かは不明だけど……。





「う、うん……」

は少し動揺しつつ俺の持つスプーンを見た。


「キバ君…あの…スプーン…というかカレー……」


「おう…っ……ほらッ」


「?!?!?!」




俺はその場のノリ(?)での口までスプーンを運んでやった。

まぁ…その……食べさせてやったっ…つーことだっっ。

俺何してんだよッ!!悪ノリ(?)しすぎだろうがぁぁ〜〜!!














「ど、どうだ?」



何聞いてんだよ俺ッ!!

作ったのはなんだッ!!

俺が作ったんじゃねぇのに「どうだ」って何だッ!!





「う、うん…その、美味しい……」

「そ、そっか……」



明らかに動揺しまくりじゃん俺ッ!!

いや、もだけど……。

ヤバイッ!!完全嫌われたッ……。













「な、なんか…やぱり熱いな……」

「あ…そうか……」

「カレーの熱さだけじゃなくて……その、私も熱くなって熱いなって………」

「……は?」

「もう…自分で何言ってんだか分からないけど…そのっ…も、もう恥ずかしいじゃないッ////」

「あ……/////」





本当…マジ恥ずかしい……。

俺も熱くなってきたんだけど……。

ヤバイ…顔真っ赤……ッ。














「こ、今度する時は…私の許可取ってよねっ…////」

「あぁ…ってぇえ!?////」



そ、それってつまり…許可さえあれば食べさせて良いって事?!

なんかソレってまるで恋人同士じゃねぇ……?!


















「じゃぁさ…今、また良いか?////」

「ぇ……うん……/////」










ちゅっ











「ぇ……?」


「誰も『スプーンで』…なんて言ってねぇじゃねぇかッ!!v」


「キ…キバ君のばかぁッ!!/////」



















あの後…結構に殴られたぜ……。

でも…まっ……俺にしては良くやったなって自分でも凄ぇと思ってんんだけどなッ。

あー…俺、また熱くなりそうvV

















END。
















キバ夢、第二弾!(笑)
自分で書いててかなり甘いな…と。
こんなに甘い書いたのは初めて…です(待)
呼び方って「ツメ小母さん」と「ハナ姉ちゃん」にしてみました。
如何なんでしょうか…この呼び方(笑)
小母さんとか呼んだら怒られそうな……(苦笑)


次は頑張って書こうと思います(次はって何ッ?!)
嘘です、次もです(黙れって)



05.5.12