ワ ガ マ マ な 子 猫 [ 後 編 ]
---ワガママな子猫【後編】---
「ひーじーかーたーさァァん」
「なんだ?総悟。そんなデケェ声だして」
「お客さんですぜィ。万事屋の旦那でさァ。」
「んぁ?あの野郎が……?」
土方の言う"あの野郎"とは
目障りな天然パーマに極度の甘党、今は珍しい侍道を持った男だ。
その名は『坂田銀時』。
万事屋をやっていて、何かと真選組と絡む事が多い。
世間一般的には"プー太郎"ってヤツだ。
「よう、多串君。相変わらず金魚は元気か?」
「誰が多串君だコノヤロー。一体俺に何の用だァ?」
「いや、別にお前に用があるって訳じゃねェんだけどよ…この子の親を探してんだ」
銀さんは、背中に乗せたを見て困った表情をした。
側にいる新八も複雑そうな顔をしている。
「おやまぁ、大変ですねィ。でも良かったでさァ、親が見つかって。ねぇ、土方サン」
と沖田がニヤリと土方を見た。
「ばっ、馬鹿言え!!俺がこんな大きい子供いる歳な訳ねぇだろォォ!!」
「よかったじゃねェか!!これで落ち着いてパフェが食べれるぜ。じゃあな、多串パパ!!」
「ちょっと待てェェェェェェェェェェ!!!」
ドタバタドタバタ...
「はァ、結局真選組は頼りになりませんでしたね……」
「あのまま多串君がパパになってくれたらよかったのになァ。楽で…」
「もう銀さんっ…。そんな事言ったからちゃん凄い怒ってますよっ…」
ボソっと新八が呟いた。
確かにの顔は物凄い表情だった。
こりゃヤべェな…。
日も落ちて、辺りが暗くなってきた。
結局の親は見つかんねェ……
俺と新八は途方にくれていた。
「銀さん…僕夕飯の支度があるので先帰りますね…」
新八が疲れた顔で苦笑しその場を立ち去った。
ここには俺との二人だけ。
不機嫌そうな顔をしているは無言で消えていく夕日を眺めていた。
「もう、、、いいよ……」
とが苦笑しつつ口を開いた。
「何言ってんだよ…俺が親捜すっつったら探すんだよ!!」
「…………」
「だから大丈夫だって」
俺は必死になってを励まそうとした。
しかしは複雑な顔をして下を向いていた。
「……?」
「ごめんなさい……捨てられたって嘘なの……」
「は?」
は半泣顔で俺を見つめた。
嘘…ってオイ…嘘って……
「私…銀さんと一緒にいたかった……だから、、捨てられたって言ったら一緒にいれるかと思ったの……」
「……お前…………」
ポロポロと涙を流すに俺は何を言っていいか分からなかった。
俺と一緒に…って事はつまり…その…俺の事が……
「っくすん……っ」
「……………」
チリン
「ん…?何…これ……」
いきなり銀時から鈴付きの鍵が飛んできた。
「何って鍵だよ」
「何で鍵が……」
「これもってりゃいつでも俺の家に来れて、俺と一緒にいられるだろーが」
「え……」
銀時のその言葉には大粒の涙を流した。
照れくさそうに後ろを向いた銀時はポケットに手を入れてこう言った。
「だから今度からは捨てられたとか、嘘つくんじゃねェよ?」
に背を向けて歩き出した銀時を見ては大声で「うん!!」と叫んだ。
背を向けつつも銀時は手を振り、風のようにその場を立ち去った。
一人になったはずっと、ずっと、その鍵を嬉しそうに抱きしめていた……
「あ、銀さんお帰りなさい!…ちゃんの親見つかりました?」
新八は心配そうな顔をしながら銀時を見た。
「もう大丈夫だ。…さァ、飯にしようぜー」
「ちょ、ちょっと…銀さん!?何が大丈夫なんですか!?ねェちょっと!!」
何も言わずに家に入る銀時の顔は微笑に溢れていた。
「っつたく、ワガママな子猫には苦労するぜ」
the end ...
連載終了です!!
銀さんやっぱり難しい…(苦笑)
前編書いたのが3月…今が10月…!!
間がかなり空きましたね!!;(汗)
とにかく連載終わらせる事が出来てよかったですVv
ツンデレ最強ー!!w(笑)
06.10.9